ユーザー活用事例 ユーザー活用事例

株式会社ライフスタイルシティー様
就労支援+VJ-405GTが利益率改善と柔軟な発想を生む

ValueJet ガーメント

画像1 405GTでタオルにプリントする伊藤社長。同社のスタッフは20人だが、ほば全員が405GTを扱える。その中から、操作が得意な4~5人がメインとなってプリントする。外注に出していた頃は、プリント代が1枚1,500円(A3サイズのガーメントプリント)かかり、3,000円で販売しても利益は5割。405GTの導入で、利益率は大幅に改善した。

 「ガーメントプリンターを入れることでビジネスに強い障がい者就労支援事業所に進化しようと考えたんです」。
 そう話してくれたのは、(株)ライフスタイルシティーの伊藤雄一社長。「障がい者就労支援事業所」とは、障がいを持つ人達が働きながらビジネスマナーやパソコンスキルなどを身につけ、新たな仕事に就けるようにすることが目的。しかし、ライフスタイルシティーは株式会社。つまり、就労支援をおこないながら、利益もしっかり出さなければならない。伊藤社長は、「国等の助成金頼みでは先細りしていくのは目に見えている。より収益性の高い事業を打ち出す必要があると考えたんです」。
 同社が就労支援事業所に認定されたのは2014年9月。スタッフの中に高いデザインスキルを持つ人材がいたことから、手作りのアクセサリー販売をスタートする。評判は上々だったが、手作りなので量産ができないこと、単価が安いこともあり、別の事業を探すことになった。そこで出会ったのが、ウェアプリントだ。
画像2 ライフスタイルシティーは岐阜県のJR多治見駅から徒歩5分。デザインセンスに恵まれたスタッフが多く在籍する。その実力が認められ、中国の博覧会への出展を要請されるほどに。同社ブランドの販売サイト(http://store.shopping.yahoo.co.jp/tumugu-smile)もある。

本体&インク代の安さと驚きの「静音性」が決め手

 当初は周囲からシルク印刷の下請け事業を勧められたが、「障がいを持つ人達がこの先自立するためにも、下請けよりデザインを生かしたオリジナル性を大切にしたかった」と伊藤社長。そこで同社オリジナルブランドを立ち上げ、協力会社やネットショップで販売をスタート。しかし、プリントが外注なので利益率が低かった。ならば思い切って内製しようと決断。選んだのが、武藤工業(株)の「VJ-405GT」だ。
 この機械は昨年発売されたばかりのガーメントプリンターで、CMYK4色モデル「VJ-404GT」と白インク搭載モデル「VJ-405GT(以下、405GT)」の2機種がある。設置面積が同クラス機の中で最小ながら、プリント面積は420×576mmと広いのが特徴。マグネットで簡単着脱できるプラテンや操作しやすい大きなタッチパネル、使いやすいプリントソフトなどユーザーからの評価も高い。
 ライフスタイルシティーが内製システムとしてガーメントプリンターを選んだ理由は、表現の豊かさ。フルカラーのウェアを1枚から作れる機械がどうしても必要だった。様々なメーカーを検討したが、405GTに決めたのは、「他メーカーと比べて、本体価格が安かった。特にインク代は驚くほど安い」と伊藤社長。もう1つ大きな理由がある。それは「静音性」だ。「障がいを持つスタッフの中には、音に敏感な人もいる。しかし、405GTはプリントしている最中でも驚くほど静かなんです」。

  • 画像3
  • 画像4
  • 画像5
    写真左:グラフィカルで自由度の高い表現ができるよう、白インク搭載モデルの「405GT」を2016年9月に導入。
    写真中央:入口にはオリジナルブランドのTシャツが並ぶ。
    写真右:キャンバス地にプリント。条件を変えて、最適なプリントモードを模索している。

独自ブランド展開、古物商許可も取得した?

 405GTを導入したことで、同社のビジネスは広がりを見せはじめた。自社ブランド「Oring(オーリング)」は、「オリジナリティーが未来に繋がっていく」を表現したデザインで、ネコをモチーフにした絵柄を12種類用意。他にも自社デザインの「meetball」シリーズなど。405GTがあれば、注文が入ってからすぐにプリントできるので、在庫リスクも無い。
 新たにスタートしたのが「持ち込みプリント」。一般的なウェアプリント店の「持ち込み」とは違って「捨てるものをよみがえらせる、という考え方です。405GTを見た瞬間に思いつきました。この事業のために、古物商許可も取ったんです」(伊藤社長)。
 もちろん、通常のウェアプリント仕事も受ける。これまでイベントTシャツやマラソンのチームTシャツ、同窓会メンバーのお揃いTシャツなど、様々な注文をこなしている。405GTを入れたことで新聞取材などが増え、認知が広まると同時に注文も増え始めてきたそうだ。

  • 画像6
  • 画像7
    写真左:ジーンズのポケット部分にプリント。白インクを使い、鮮やかに仕上げている。
    写真右:405GTを使って木にもプリント。実は伊藤社長は建築会社も経営しているため、木の種類にも精通している。
        プリントできそうな木を選定しているそうだ。

  • 画像8
  • 画像9
  • 写真左:「meetball」シリーズのシャツ。
    写真右:「Oring」ブランドのTシャツ。
    同社はTシャツを月100枚売るが、ほとんどがオリジナルブランドTシャツ。目標は月1000枚。

 今後、同社が目指すのは「プレゼント専門の雑貨店」。様々な商品にオリジナルのイラストをプリントして、「皆が繋がって、微笑みながらプレゼントできる商品を作りたい」と伊藤社長。そこにも405GTが活躍する。
 同社のウェアプリントは自由度が高く、Yシャツの縫製した繋ぎ目の部分やジーンズポケットの段差部分など、普通は避ける箇所へのプリントも当たり前のようにこなす。さらに、405GTで木へのプリントにも挑戦。熱プレスのかけ方など、試行錯誤を繰り返して成功した。
 405GTが生み出したこの発想の柔軟さと、同社のデザイン力は、もはや通常のウェアプリントの枠には収まりきらない。伊藤社長の言う「ビジネスに強い、収益性の高い障がい者就労支援事業所」に向けて、同社は着実な1歩を踏み出している。

会社情報

株式会社ライフスタイルシティー 様
住所 岐阜県多治見市田代町1-32

 http://tsumugu.gifu.jp/
 https://www.facebook.com/tumugucompany/
OGBSマガジン46号に掲載
http://www.gendai-press.co.jp/ogbs_magazine
画像10
(株)ライフスタイルシティー
代表取締役
伊藤雄一 氏
  • ユーザ活用事例・お客様の声 ユーザー事例紹介画像
    屋外看板・電飾看板(サイン)などの製作物と捺染(服飾)・インテリア等、新分野でのユーザ事例などをレポートしていきます。
    ユーザ事例を見る お客様の声を見る
  • 制作事例ギャラリー
    屋外看板の制作事例をはじめ、捺染(服飾)・建築インテリア・紙器(パッケージ)・オリジナルグッズなどの制作事例を掲載します。
    制作事例ギャラリーを見る